ダイハツの『ハイゼットカーゴ』と『アトレー』は、そのコンパクトなサイズと機能性で人気の軽商用車です。
しかし、この2車種はベースが同じであるため「違いがよく分からない」「どちらを選ぶべきか分からない」という悩みが出てきます。
この記事では、ハイゼットとアトレーの違いと共通点をわかりやすく解説し、あなたの選択をサポートします。
デザインや快適性、安全性能、さらには価格まで、両車種の特徴を比較していきましょう。
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ダイハツの軽商用車、ハイゼットカーゴとアトレーの基本
ハイゼットカーゴとアトレーは、ダイハツが生産する軽商用バンで、共にコンパクトながら高い実用性から人気です。
ハイゼットとアトレーの用途
ハイゼットカーゴは商用目的に特化した設計がされています。
一方でアトレーは、先代までは5ナンバーの軽乗用車扱いでした。モデルチェンジにより商用の4ナンバーへと生まれ変わりましたが、ハイゼットカーゴよりも快適性と多機能性に重点を置いています。
ハイゼットカーゴはゴリゴリの商用車ですが、アトレーは日常のビジネス用途からレジャーまで幅広いニーズに応えることができます。
両車種の最新モデルの特徴
最新モデルのハイゼットカーゴとアトレーは、ダイハツの最新技術が投入されたDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)プラットフォームを採用しています。
DNGAは新しい軽自動車およびコンパクトカー向けの次世代スタンダードを目指して開発されたプラットフォームです。
このプラットフォームの目的は、安全性、快適性、および疲労軽減などの基本性能の進化と、安定感の高い走行性能と乗り心地を改善しています。
ハイゼットカーゴとアトレーでは、DNGAによって室内空間と荷室空間が大幅に向上し、快適な運転環境と十分な荷物収納スペースを実現しています。
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ハイゼットとアトレーの主な違い
ハイゼットカーゴとアトレーは同じプラットフォームを持つ、見た目もほとんど同じクルマです。だからその違いが分かりにくい。
この2車種でどこが違うのかを見ていきましょう。
デザインと快適装備の違い|上質な装備のアトレー
ベースは同じ2車種であるため、両車種の外観は似ています。
ただし、アトレーの方がより上質なパーツが付けられています。
アトレーはメッキグリルや上質なインテリアを備え、より乗用車に近い洗練された印象を与えます。
一方、ハイゼットはより実用的なデザインで、商用目的に特化しています。
また、アトレーは快適装備に優れており、アウトドア用品の収納や取り付けに便利な装備が豊富に用意されています。
荷室空間にも若干の違いがあります。
ハイゼットカーゴ | アトレー | |
---|---|---|
荷室長(2名乗車時) | 1,915mm | 1,820mm |
荷室長(4名乗車時) | 1,005mm | 1,005mm |
荷室幅(最大) | 1,410mm | 1,410mm |
荷室幅(最小) | 1,270mm | 1,265mm |
荷室高 | 1,250mm | 1,215mm |
全体的に、ハイゼットカーゴの方が少しだけ広くなっています。その分、アトレーにあるような荷室のポケットやシガーソケットなどが装備されていません。
- ハイゼットカーゴ
- アトレー
ライトも異なります。。ハイゼットカーゴはハロゲンライトを採用していますが、アトレーではLEDライトが採用されており、より明るく鮮明なライトとなっています。LEDライトはハイゼットカーゴにもオプションで搭載可能です。
また、両側パワースライドドアはアトレーは標準装備(Xグレード以外)となっていますが、ハイゼットカーゴでは一部グレードに採用可能な追加オプションとなっています。
ハイゼットカーゴはより最小限の装備で硬派な仕様と言えるでしょう。
運転支援・安全機能の比較ではアトレーが豊富
運転支援機能・安全機能では、どちらの車種でもダイハツの安全機能「スマアシ」が採用されています。
アトレーには、アクティブクルーズコントロールやレーンキープコントロールなどが搭載されている点が大きな違いです。
また、アダプティブドライビングビーム(走行状況によって、ライトの方向が切り替わる機能)はハイゼットカーゴではオプションになっていますが、アトレーは標準装備です。
ハイゼットカーゴ
アトレー
運転支援機能・安全機能一覧比較
ハイゼット カーゴ | アトレー | 機能 | |
---|---|---|---|
アダプティブ クルーズコントロール | ー | 〇(※) | 高速走行時、渋滞時などに加減速をサポート |
レーンキープ コントロール | ー | 〇(※) | 車線中央を走るようにサポート |
衝突警報機能/ 衝突回避支援 ブレーキ機能 | 〇 | 〇 | 車、夜間の歩行者との衝突回避をサポート |
オートハイビーム | 〇 | ー | 夜間走行時の視認性確保をサポート |
アダプティブ ドライビングビーム | △(※) | 〇 | 夜間走行時の視認性確保をサポート |
サイドビューランプ | 〇(※) | 〇 | 暗い交差点で歩行者の見落としを減らす |
ふらつき警報 | 〇 | 〇 | 車がふらつかないようにサポート |
路側逸脱警報機能 | 〇 | 〇 | 路側へはみ出さないようにサポート |
車線逸脱警報機能/ 抑制制御機能 | 〇 | 〇 | 車線から出さないようにサポート |
ブレーキ制御付き 誤発信抑制機能 | 〇 | 〇 | ペダルを踏み間違えたときに、急発進を抑制 |
先行者発信お知らせ機能 | 〇 | 〇 | 信号待ちで発信遅れの防止をサポート |
標識認識機能 | 〇 | 〇 | 標識の見逃しを防ぐ |
コーナーセンサー | 〇 | 〇 | 警報音と表示で障害物の確認をサポート |
エンジン・トランスミッションはアトレーがターボ・CVTのみ
エンジンとトランスミッションは、ハイゼットワゴンはNAとターボ、MTとCVTが選択できます。
(ターボはCVTのみ)
一方でアトレーはターボ + CVTの一択です。
選択肢はハイゼットカーゴが多くなっています。
駆動方式については、両方とも全グレードで2WDと4WDが選べます。
車両価格はハイゼットカーゴが安い
価格面では、ハイゼットがやや低価格帯に位置づけられていますが、アトレーは快適装備や安全機能を重視することで、その差が反映されています。
車種 | グレード | トランス ミッション | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
ハイゼットカーゴ | クルーズターボ | CVT | 2WD | 1,452,000 |
4WD | 1,606,000 | |||
クルーズ | 5MT | 2WD | 1,232,000 | |
4WD | 1,386,000 | |||
CVT | 2WD | 1,331,000 | ||
4WD | 1,485,000 | |||
デラックス | 5MT | 2WD | 1,155,000 | |
4WD | 1,309,000 | |||
CVT | 2WD | 1,210,000 | ||
4WD | 1,364,000 | |||
スペシャルクリーン | CVT | 2WD | 1,122,000 | |
4WD | 1,276,000 | |||
スペシャル | 5MT | 2WD | 1,045,000 | |
4WD | 1,199,000 | |||
CVT | 2WD | 1,100,000 | ||
4WD | 1,254,000 | |||
デッキバンG | CVT | 2WD | 1,551,000 | |
4WD | 1,705,000 | |||
デッキバンL | 2WD | 1,375,000 | ||
4WD | 1,529,000 | |||
アトレー | RS | CVT | 2WD | 1,672,000 |
4WD | 1,826,000 | |||
X | 2WD | 1,562,000 | ||
4WD | 1,716,000 | |||
デッキバン | 2WD | 1,914,000 | ||
4WD | 2,068,000 |
基本的に、アトレーはハイゼットカーゴの上級グレードと考えて良いと思います。
市場でのポジションもそれぞれ異なり、ハイゼットは商用目的に、アトレーは多目的な用途に適しています。
ハイゼットとアトレーの共通点
ハイゼットカーゴとアトレーには、共通点もたくさんあります。
共通のプラットフォームとデザイン
ハイゼットとアトレーは、共にDNGAプラットフォームを採用しています。
DNGAにより、軽量化と強度の向上、空間効率の高い設計が実現されています。外観デザインも共通の要素が多く、特に水平基調のデザインは両車種で採用されています。
また、カスタマイズパーツについても、共有できるものがたくさんあります。
エンジンスペックと燃費性能
走行性能に関しては、両車種ともに軽快な走りと環境に配慮した、共通のエンジン「KF型 直列3気筒エンジン」が搭載されています。
燃費の効率化や排出ガスの低減により、環境性能も両車種に共通する強みです。
ハイゼットカーゴ | NA | 5MT | 2WD | 14.9 km/L |
---|---|---|---|---|
4WD | ||||
CVT | 2WD | 15.6 km/L | ||
4WD | ||||
ターボ | 2WD | 14.7 km/L | ||
4WD | ||||
アトレー | 2WD | 14.7 km/L | ||
4WD |
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ハイゼットカーゴかアトレーか?選択のポイント
ハイゼットカーゴとアトレー、この似た2車種の選択ポイントはどこでしょうか?それは、それぞれの軽バンの特徴や用途によって異なります。
アトレーとハイゼットは、同じボディを使用する車種で、外観は似ています。先代モデルまではアトレーが5ナンバーで明確に差がありましたが、現行モデルではどちらも4ナンバー登録の商用モデルとなっています。そのため、車検の期間や税制面などの差はなくなっています。
ハイゼットカーゴは商用車の代表格であり、広い荷台が特徴です。アトレーは広い室内空間と使い勝手が魅力で、趣味の相棒としても選ばれています。
以上をまとめると、選択のポイントは以下のように考えます。
- 用途
-
仕事で貨物車として使用するか、荷物をたくさん運べる趣味車として使用するか。
前者であればハイゼットカーゴ、後者であればアトレーが向いています。
- 予算
-
アトレーはハイゼットカーゴの上級グレードとして捉え、予算に合わせて選択します。
アトレーで標準装備されている機能も不要であれば、ハイゼットカーゴ、特にMTモデルを選ぶことで初期費用を抑えることが可能です。
- 維持費
-
維持費に関しては、どちらも4ナンバーなので税金・車検の面では変わりません。
ただし、燃費はターボエンジンのグレードであれば変わりませんが、NAエンジンの方が燃費は若干良くなります。
ハイゼットカーゴ、アトレー。どちらを選ぶか迷われている場合は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。