軽バンを選ぶにあたって、その車の人気は重要なポイントの一つです。人気のある車を選ぶことによって、メリットもあります。
- インターネットで情報が得やすい
- アフターパーツが豊富
- リセールバリューがつきやすい
このページでは、今一番売れている軽バンの車種をランキングで紹介します。
さらに、ご自身の目的にあった軽バンの選び方を5つの軸で紹介します。
▼ 軽バンを徹底比較するランキング記事
軽バン人気ランキング
どの軽バンが人気かどうかは、販売台数を比較するのが一番ストレートで分かりやすいでしょう。
売上台数1位はダイハツ ハイゼットカーゴ
もっとも人気のある軽バンは「ダイハツ ハイゼットカーゴ」となりました。
次に「スズキ エブリイ」で、この2車種で全体の65%程度を占める2強です。
また、N-VAN、スペーシアベースを除いてOEM元となっているので、実質この2車種で8割以上のシェアとなります。
順位 | 車種名 | 売上台数 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ダイハツ ハイゼットカーゴ | 37,087 | (アトレーとの合算) |
2 | スズキ エブリイ | 30,202 | |
3 | 日産 NV100クリッパー | 13,167 | エブリイOEMモデル |
4 | ホンダ N-VAN | 13,030 | |
5 | スズキ スペーシアベース | 5,139 | |
6 | トヨタ ピクシスバン | 4,836 | ハイゼットカーゴOEMモデル |
7 | マツダ スクラムバン | 2,610 | エブリイOEMモデル |
8 | 三菱 ミニキャブバン | 2,161 | エブリイOEMモデル |
9 | スバル サンバーバン | 1,799 | ハイゼットカーゴOEMモデル |
OEM車を含めると「スズキ エブリイ」がNo.1
OEM車種を含めて計算すると、スズキエブリイが逆転して一番人気です。
特にこの2車種は、モデルとしての歴史も長く認知度も高い上、本格的に業務に使用する事業者の方が多いので、このような結果になったんだと思います。
順位 | 車種名 | 総売上台数 |
---|---|---|
1 | スズキ エブリイ | 48,140 |
2 | ダイハツ ハイゼットカーゴ・アトレー | 43,722 |
3 | ホンダ N-VAN | 13,030 |
4 | スズキ スペーシアベース | 5,139 |
製造メーカーが他社ブランドで販売すること。 販売側は製造リソースがなくてもラインナップを充実でき、製造側も開発費をシェアしたり、工場ラインの稼働率を改善出来たりとメリットは多い。
製造メーカー | ベース車両 | 販売会社/車種 |
---|---|---|
スズキ | エブリイ | 日産 NV100クリッパー マツダ スクラムバン 三菱 ミニキャブバン |
ダイハツ | ハイゼットカーゴ | トヨタ ピクシスバン スバル サンバートラック |
あなたにあった軽バンの選び方
自分に向いているモデルがどれなのか、みなさん迷いますよね?
そんな時には、ご自分が重視する『軸』を基準に選ぶのがおすすめです。
ここで紹介する、車選びの軸は次の5つ。
- 積載量(広さ)
- 燃費(カタログ燃費・実燃費)
- 乗り心地
- おしゃれさ
- トランスミッション
それぞれ詳しく解説していきます。
積載量(広さ)で選ぶ
軽バンのメインの目的である「荷物を運ぶ」。どれも貨物輸送目的とした4ナンバー車ですが、これにフォーカスした際に、どの車種が向いているでしょうか?
積載重量は、エブリイ、ハイゼット、N-VANが同じ350kg。そしてこの3車種は積載量もダンボール(みかん箱,.380×310×280mm)も約70個とほぼ同じです。
唯一、N-VANは助手席側のセンターピラーがなく、側面からの荷卸ろしがしやすいという利点があります。助手席を倒すと完全にフラットにできるのもメリットです。
スペーシアベースは積載量という指標では、他の車種と比べて劣ります。
積載重量 | 積載スペース (幅×長さ×高さ) | 1人乗り時の最大長 | ダンボール積載量(※) | |
---|---|---|---|---|
スズキ エブリイ | 350kg | 1,385×1,910×1,240mm | 2,640mm | 69個 |
ダイハツ ハイゼットカーゴ (アトレー) | 350kg | 1,410×1,915×1,250mm | 2,650mm | 68個 |
ホンダ N-VAN | 350kg | 1,390×1,510×1,365mm | 2,635mm | 71個 |
スズキ スペーシアベース | 200kg | 1,265×1,375×1,115mm | 2,030mm | 42個 |
燃費で選ぶ
基本的にすべて軽商用車のため、税金や車検にかかるランニングコストは変わりません。
そこで比較するポイントといえば燃費。
カタログ燃費(WLTCモード)で比較すると、
- スペーシアベース
- ハイゼットカーゴ
- N-VAN
- エブリイ
という順番になります。
車種 | 2WD | 4WD | 2WD+ターボ | 4WD+ターボ |
---|---|---|---|---|
スズキ エブリイ | 14.6~17.2km/L | 14.6~16.9km/L | 15.1km/L | 15.1km/L |
ダイハツ ハイゼットカーゴ (アトレー) | 18.0~20.5km/L | 17.9~20.3km/L | 14.7km/L | 14.7km/L |
ホンダ N-VAN | 19.2~19.8km/L | 17.4~18.0km/L | 18.8km/L | 17.0km/L |
スズキ スペーシアベース | 21.2km/L | 19.9km/L | ー | ー |
しかし、カタログ燃費は落とし穴で、本当に比較するのであれば実燃費で比較する必要があります。
詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
乗り心地で選ぶ
軽バンは貨物を運ぶための車なので、どうしても乗り心地は二の次になります。
しかしどの車も、限られた条件の中で最大限の工夫を凝らしています。
まず、乗り心地で選ぶのであればまずは「スペーシアベース」が乗用車感覚で乗れる軽バンになっています。
前席は「スペーシア」と同様の作りとなっており、インパネ周りの使い勝手も上々。その代わり後席のスペースは狭く、使い勝手はイマイチ。
積載量も200kgと軽バンの中では小さくなります。しかし、重い荷重に耐える必要がない分、しなやかな足回りに仕上がっています。
乗り心地も捨てがたく、ライトなレジャー感覚で乗りたい人にはスペーシアベースがおすすめです。
おしゃれさで選ぶ
スタイリングで選ぶのであれば、次の3車種がおすすめ。
- ダイハツ アトレー
- スズキ スペーシアベース
- ホンダ N-VAN +STYLE FUN
「アトレー」と「スペーシアベース」は、軽商用車ながら内外装にシルバーやメッキパーツを使った、”商用車らしからぬ”デザインが魅力的。
「N-VAN +STYLE FUN」は他のグレードとは違って、内外装のメッキパーツや専用LEDヘッドライトなどを追加装備。
どの車種もカラーリングが豊富で、アウトドアシーンにもピッタリとなっています。
トランスミッションで選ぶ
各社おなじ軽バンのように見えて、トランスミッションにも違いがあります。
スズキはMT、ATに加えて、AGSというMTとおなじギアを自動で変速してくれるタイプがあります。
一方でダイハツは、MTとCVTという組み合わせとなります。
ホンダについては、MTとCVTですが、軽商用車では唯一の6速MTとなっており、効率的な運転が可能です(実燃費もかなりいい!)
スペーシアベースはもともと軽乗用車の派生モデルなこともあって、CVTのみのラインナップになります。
- スズキ エブリイ:5MT, 5AGS, 4MT
- ダイハツハイゼットカーゴ:5MT, CVT(ターボはCVTのみ)
- ホンダ N-VAN:6MT, CVT(ターボはCVTのみ)
- スズキ スペーシアベース:CVT
人気の軽バン車種一覧
ダイハツ ハイゼットカーゴ
ダイハツ ハイゼットカーゴは、今、最も売れている軽バンです。その機能性と安全性の強化により、軽商用車としての実力を高めています。
2021年のフルモデルチェンジにより、より四角いボディ形状で積載スペースが拡大され、荷室のサイズもクラス最大級になりました。
運転席周りは利便性が向上させつつも、シンプルなインパネ設計となっています。
機構は最新DNGAプラットフォームを採用し、高剛性ボディと最適化された足回り。エンジンは自然吸気とターボの2種類があり、新開発のCVTを搭載し、運転・乗り心地の両方で快適性を増しています。
安全面では、歩行者対応の衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報、オートハイビームなどの最新安全技術が搭載され、より安全なドライブをサポートします。
デザイン面では、マイナーチェンジでフロントグリルとLEDテールランプが新しくなり、被視認性が向上。これらの進化により、ハイゼットカーゴは小口配送を始めとする多様なビジネスシーンでの活躍が期待されています。
MOTA公式サイト
ダイハツ アトレー
ダイハツ アトレーは、1981年にハイゼットをベースに登場した軽バンです。その後のモデルではリヤシートを重視したアトレーワゴンも登場しました。
2021年のフルモデルチェンジでは、6代目として乗用車から商用車へとカテゴリーが変更され、4ナンバーの小型貨物車となりました。
この変更により、リヤシートの機能が簡素化され、荷室スペースが大きくなり、車中泊に適したフラットな荷室床が実現しました。
新しいモデルではハイゼットカーゴと同様ダイハツの次世代技術「DNGA」が採用され、660ccの直3ターボエンジンと新開発のCVTが組み合わされています。
さらに、広い荷室には防水素材の使用や便利な収納機能が追加され、ウェルカムオープン機能やキーフリーシステム、電動スライドドアなどの快適な装備も充実しています。
アトレーは商用車としての実用性を保ちながらも、ハイゼットカーゴよりもより乗用車としての快適性を兼ね備えた上位グレードとして認識されています。
MOTA公式サイト
スズキ エブリイ
スズキ エブリイは、商用車としての機能性を重視した軽バンです。その起源は、スズキの軽トラック「キャリイ」にワンボックスバンとして用意された「キャリイバン」にあり、エブリイはその後継車として1982年に初代が登場しました。
現行の6代目モデルは2015年から販売され、2019年にはデュアルカメラブレーキサポートを装備するなど安全装備が強化されています。さらに2022年には7インチディスプレイを採用するなどの改良が加えられました。
現行モデルには
- PA
- PAリミテッド
- PC
- JOIN
- JOINターボ
といったグレードが用意されています。
いずれもパワーユニットは660ccのR06A型自然吸気型直3エンジンで、最高出力は49馬力となっています。
トランスミッションは5速MT、4速AT、5速AGS(オートギヤシフト)が選択できます。AGSはMTを基にしながらATのような変速を行う機能ですが、シフト感はATほどスムーズではないため試乗して確かめるのがおすすめです。
収納スペースも豊富で、飲み物ホルダー、センターコンソール、スマートフォントレイ、カードケース、書類に適したオーバーヘッドシェルフなどがあります。
外装デザインはシンプルで、おなじみの四角い形状が特徴です。また社外品のカスタマイズ用の外装パーツも多く発売されています。
スズキ エブリイは実用性、安全性、快適性を兼ね備えた多目的に使用できる車両としての魅力を持っています
MOTA公式サイト
ホンダ N-VAN
ホンダ N-VANは、N-BOXから派生した2018年に登場した商用車です。
特に荷物の積み込みやオートキャンプなどのアウトドア活動に適しています。その最大の特徴は、助手席側のピラーレス構造により、全開時には1,580mmのワイドな開口部を提供することです。これにより、荷物の積み下ろしが容易であり、運転席以外のシートをすべて倒せば、車内全体がフラットな床になります。
また、従来の商用軽バンとは異なり、エンジンが室外に配置されているため、静かな運転環境が特徴です。
N-VANのラインナップは以下の通りです。
- G(ベーシックモデル)
- L(スタンダードモデル)
- +STYLE FUN(レジャー向け)
- +STYLE FUN・ターボ(ターボモデル)
全グレードにはFF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)の選択肢があり、トランスミッションはCVTと、軽バン唯一の6速MTも選べます。
自然吸気エンジンに加えて、+STYLE FUNにはターボグレードも用意されています。
さらに、Honda SENSINGが全タイプに標準装備されており、衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、路外逸脱抑制機能、ACC(適切な車間距離を保ち運転負荷を軽減する機能)、LKAS(車線維持支援システム)など、先進的な安全運転支援システムが含まれます
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スズキ スペーシアベース
スズキ スペーシアベースは、軽商用車の範囲を超えた高い完成度を持っています。
スペーシア、スペーシア カスタム、スペーシア ギアの良い点を取り入れたこのモデルは、特にアウトドアや車中泊、テレワークに適しています。AC100V/1500Wの電源を車内に引き込むアクセサリーも用意されています。
乗り心地に関しては、前席シートの快適さや足回りの設計が乗用軽のスペーシアと同様であるため、乗り心地や直進性、カーブでの安定感などが高い水準を実現しています。
また、車内の静粛性は乗用軽のスペーシアに匹敵し、ロングドライブでも快適です。WLTCモード燃費は軽商用車NO.1の21.2km/Lを誇ります。
これらの特徴から、スーパーハイト系軽自動車から乗り換えても違和感なく運転することができます。
さらに、軽商用車としての最大積載量が一般的な350kgから200kgに減らして設定されています。積載量こそ、他の軽バンに劣りますが、乗り心地の良さに貢献しています。
貨物車としてよりも、レジャーを楽しむための軽バンとして乗るのがぴったりの一台です。
MOTA公式サイト
自分に向いてる一台を見つけ出そう
今回の記事では、軽バンの販売台数から人気をランキングにして紹介しました。
スズキ エブリイ、ダイハツ ハイゼットカーゴがその中でも2強という形になりましたが、この2車種は特に配送などの「本当の商用車」としてのニーズが強いです。
レジャー用途であれば、さらにおしゃれさや乗り心地という部分も重要となってきます。
選択肢はあまり多くありませんが、ぜひご自分に合った一台を見つけ出していきましょう。
▼ 軽バンを徹底比較するランキング記事
よくある質問
一番売れてる軽バンは?
モデル単体での販売台数は「ダイハツ ハイゼットカーゴ・アトレー」が一番です。
一方で、他社ブランドで生産しているOEMモデルを含めると「スズキ エブリイ」が一番となります。
荷室が一番大きい軽バンは?
積載スペースは「ダイハツ ハイゼットカーゴ」が1,410×1,915×1,250mmと、最も大きくなっています。
荷物が一番載せられる軽バンは?
「N-VAN」が最も多くの荷物を載せられます。助手席を倒した状態となりますが、380×310×280mmサイズの段ボールで71個載せられます。スズキエブリイは70個、ダイハツハイゼットカーゴが68個とほぼ互角です。
軽バンは何キロまで載せられる?
- ダイハツ ハイゼットカーゴ・アトレー:350kg
- スズキ エブリイ:350kg
- ホンダ N-VAN:350kg
- スズキ スペーシアベース:250kg